南の島を訪れる人の多くが砂浜で目にするオカヤドカリ。
みなさんは彼らが国の天然記念物に指定されていることをご存知でしょうか?
私たち島民にとってはあまりに身近な存在なので、そんな大層な肩書を言われてもいまいちピンとこない…というのが本音です。
そのオカヤドカリが天然記念物とされたのは1970年。
当時、日本に復帰したばかりの小笠原諸島(戦後~1968年はアメリカ軍の統治下にありました)にいるオカヤドカリは稀少であり、しかもその数が減少していたことを理由に指定されました。
ところが、その2年後。沖縄が日本に返還され、そこにはたくさん生息していることが判明したのですが、そのまま天然記念物として扱われることになったようです。
そんなオカヤドカリ。私たち人間の見方がどう変わろうとも、今日ものんびりと暮らし続けています。
のそのそとお散歩しているところに近づくと、こちらの気配を察して殻の中に入り、その弾みでコロンと転がる姿は何とも愛らしいものです。
朝方や夕方の海岸で見られることが多いですが、内陸にもいます。時々、道路を歩いていることもあるので、運転中は十分にお気を付けくださいね。
「天然記念物」と言われるほど希少かどうかに関わらず、彼らは私たち人間よりも長くこの島で暮らしている尊い存在。出逢ったときは静かに見守ってくださいね。
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