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自分たちの血の中にあるもの
「かりゆしバンド:田畑哲彦さん」

Reporter 小高あすか

三線を弾いて、生で歌うことの意味

「やっぱりね、この島にしかないものがあるでしょ。録音したら無くなりはしないんだけど、生で歌う、歌いながら伝えていくというのはすごくいいことだと思うわけよ」

そう語るのは「かりゆしバンド」のマスター、田畑哲彦さん。島ではてっちゃん・哲ヤカの愛称で親しまれています。(※ヤカは与論方言でお兄さんという意味)

ヨロン島で自身が経営している「らいぶcafeかりゆし」での演奏や、島内外のイベントでの演奏、ライブツアー、楽曲や絵画などの制作と多忙な日々の合間をぬって島の歌を探究し続けています。

最近取り組んでいるのは、昔の唄者の音源を聴いて譜面に起こし、歌い方を分析すること。

大学を卒業して島に帰ってきた昭和52年~53年ごろに自分でカセットテープに録音して回った、近所の唄者たちの歌です。

祝いの座や宴会などで必ず歌三線があった時代、唄者や集落によって、同じ歌でも少しずつ違いがありました。そういった違うものを統一してひとつの「与論民謡」にする事も必要かもしれないが、様々な歌い方も残していきたいと考えています。

そしてなにより大事なのは、譜面や音源に残すだけではなく、実際に三線を持って歌うこと。

「親父やじいちゃんも三線をよく弾きよった。宴会では三線を必ず弾いて、太鼓を叩く人がいて、そこにまた踊りが出てくる。そういうのが楽しかった。」

かりゆしバンドのライブではみんなが踊り、居合わせた人たちはたちまち仲良くなってしまう・・・それはもしかしたら、哲ヤカが子どもの頃に見ていた、大好きだった宴会での歌遊びの雰囲気なのかもしれません。譜面や音源では残せないその場の空気感が、哲ヤカの生の歌三線によって私達に伝わり、歌遊びの世界へ連れて行ってくれるのです。

▲かりゆしバンドの音色に聴き入る人たち

最近は昔のように宴会の席で歌三線が出ることは少なくなり、三線を弾ける人も少なくなっています。そんな現状に対して、三線が上手い人にもっと人前で弾いてほしい、若い人たちも一緒に勉強して島の歌を残すことができたらいいね、と話してくれました。

「三線を弾いた親父の時代とか、昔から島ではそういうのが受け継がれているから。三線を持って歌うというのは、昔の人たちに近づくことができる、身近に感じることができるものだから。とにかく三線を持つということが大事じゃないかと思う。自分たちの血の中にはそういうのがあるわけだから。」

美味しいお酒でも飲みながら、一緒に与論の音楽が見せてくれる世界を感じましょう。生の唄三線に込められている、特別な世界を。

田畑 哲彦(たばた てつひこ) 住所:鹿児島県大島郡与論町茶花130 URL:https://www.kariyushibandyoron.com/ 問い合わせ先:0997-97-4432/090-7163-7490 営業時間:19時半〜23時 定休日:月曜日(出張等でお休み有)

会えるかもスポット:らいぶcafeかりゆし

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