上の写真は、与論民俗村に展示している昔の台所用品の1つなのですが、一体何の道具でしょうか。
正解は、ねずみから食料を守るための「ねずみ除け」です。天井から剥製のハリセンボンを吊るし、その下に食料を入れたカゴを下げます。こうすることで、ねずみが天井を伝ってきても、ハリセンボンの針が邪魔をして食べ物の所まで辿り着けないようになっています。現代の感覚では、思いもつかないような発想ですね。
与論民俗村には、昔の一般的な家を復元した茅葺民家が建っており、その中に昭和30年代頃まで実際に使われていた生活道具を展示しています。こうした生活道具の用途を知ることで、昔の与論の人々の暮らしについて理解を深めることができます。
今回紹介したねずみ除けに限らず、昔の民具の多くは身近にある自然素材を生かして作られています。現代ほどモノや情報がなかった時代において作られたこれらの民具には、身の回りにある限られた素材から生活に必要な道具を作り上げた先人たちの知恵が数多く詰まっています。与論民俗村では、与論に根ざした人々の技に触れ、体験することができます。
与論民俗村 住所:鹿児島県大島郡与論町麦屋693-2 URL:https://yoronminzokumura.com 問い合わせ先:0997-97-2934 営業時間:9時〜18時 定休日:年中無休