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ヨロンの種特集コロナ禍ですが、ヨロン島の観光は?
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コロナ禍ですが、ヨロン島の観光は?

Reporter ヨロンFun編集部

ヨロン島の旬の話題をお届けします。

今年も延期「ヨロンマラソン大会」

2022年を迎え、新型コロナウィルス第6波関連のニュースが連日報道されています。

本来ならこの時期、ヨロン島では島をあげての一大イベント「ヨロンマラソン大会」に向けて島内が活気づいている頃。残念ながら今年も開催延期が決定しています。

ヨロン島ではこれまでに2度、クラスターが発生しました。その後はクラスターこそ発生していませんが、定期的に感染者が報告されています。

ではヨロン島に観光客は来ていないの? と言えば、そんなことはありません。

ヨロン島観光協会の里山さんによると、「一昨年よりは観光客数も戻ってきています。でもコロナ前のほぼ半減くらい」とのこと。

「ヨロン島では観光に携わる一人ひとりが危機意識を持って感染対策しています。ご来島の際は、基本的な感染対策をして、十分に気をつけてお越しください」とメッセージを頂きました。

鹿児島県では2月20日まで「蔓延防止等重点措置」が適用されます。ヨロン島でも居酒屋などは21時で営業終了。静かな夜が続いています。

 

コロナ禍の今。地域のための観光を。

▲GSTC研修:講師は和歌山大学観光学部の加藤教授

昨年、与論町とホテル事業を行っているプリシアリゾートヨロン、和歌山大学観光学部、ヨロン島観光協会の4者は“持続可能な観光地づくり”の推進にかかわる連携協定を締結しました。これは持続可能な観光の国際指標(GSTC)を活用しながら、島の観光業の発展を図るというもの。

「MEEDAFU´S YUI HOSTEL and COFFEE」の経営者であり、ヨロン島観光協会DMO局長兼サステナビリティーコーディーネーターの柳田真希さんは「聞き慣れない言葉ばかりで分かりにくいでしょ?」と笑いながら教えてくれました。

「GSTCとかDMOとか言葉は覚えなくてもいいんです。ただ、ヨロン島が“地域のための観光を目的に取り組んでいきます”ということを知って欲しいんです」

1980年代、ヨロン島が観光ブームで沸いた時代は当時7000人の島民の中、6人中5人が観光客という異様な状況。島に4件しかなかった民宿は一気に100件近くに増えたそうです。当時はなかった言葉ですが、その頃のヨロン島は完全にオーバーツーリズム状態。

「過去の経験から一過性ではなく、長く続く観光を。モノ消費の観光からコト消費の観光へ。情報や対話、繋がりを作り紡ぐことに重点を置いた観光を目指したい」

取材した日は、プリシアリゾートヨロンで社員向けにGSTCの概要に関する初心者研修が行われていました。ヨロン島はコロナ禍の今だからこそ、島で学びの機会を増やし、地域一体となって持続可能な観光地づくりに取り組んでいます。

 

 

取材後のおまけ。

インタビューの最後に、島の人たちに何か伝えたいことはありますか? と真希さんに聞いてみました。真希さんは少し考えた後で「すれ違う人にあいさつしてくれたら嬉しいな」と言いました。
その時はうんうん、と頷くだけでしたが、後日、真希さんのお店の前を通りがかった時、その言葉を思い出しました。

真希さんの経営するカフェ「MEEDAFU´S YUI  COFFEE」の前には、ベンチが置かれています。

真希さんの人柄もあって、おしゃれなカフェには島のおじいちゃんおばあちゃん(あえて、そう呼ばせてもらいます)がやってきます。学校帰りの子どももお店の前を通ります。お客さんではなさそうな人がベンチにちょこんと座っていることもあります。

そこに観光客がやってきて、「こんにちは」「どこから来たの?」なんて何となくお喋りが始まります。

 

GSTCとか、取材した私も正直よくわかってないです。

でも、たぶん、ヨロン島が目指したいのは、「MEEDAFU´S YUI  COFFEE」のお店の前にあるベンチのようなもの。

たった一言のあいさつでいい。島の人と観光で訪れた人が言葉を交わし、同じ時間を過ごして、なんだか温かい気持ちになってもらえたら嬉しい。ヨロン島よかったな。また来たいな、と少しでも思ってくれたら、ヨロン島に暮らす私たちも嬉しいし、きっとあなたも嬉しい。そんなヨロン島になったらいいな、とヨロンFunも思います。

今はまだ、何も気にせず来てくださいとは言えない日々が続きます。

でもいつかきっと、この記事を読んでくれているあなたに会える日が来ることを心待ちにしています。

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