9人目:町永春樹さん(ピラティスインストラクター)
かな: 今回の“旅の島んちゅ”は町永春樹さん。帰省中のところ、お時間頂きましてありがとうございます。さっそく伺っていきます。
春樹: はい。
かな: ヨロン島に住んでいた時は、どんな子どもでしたか?
春樹: 小さい頃はひたすら遊んでいました。
かな: あはは、いいですね。
春樹: スポーツに、魚釣りや海遊び。とにかく家にはいなかったですね。
かな: スポーツは何をされていたんですか?
春樹: 小1から中3まで空手、サッカーは小2から中1まで、卓球も2年ほど。バスケットは小5から高3までやってました。
かな: すごい(笑)
春樹: サッカーをやっていたときに怪我をして、手術して出来なくなってバスケットを。
かな: 手術?
春樹: ひざの手術です。小学校4年生から怪我してて、中学校1年で足のひざの手術を。だから、学生時代は怪我ばかりで大事な試合に出れなかったりとか(笑)
かな: あぁー、ショックですね。
▲ヨロン島で開催された春樹さんのピラティス教室
かな: ヨロン島には、いつまでいたんですか?
春樹: 中学校までです。受験をして徳之島の高校に行って。高校2年生の時に父親の転勤で鹿児島へ。
かな: 島外の高校へと思ったのはお父さんの転勤が理由? それとも自分から?
春樹: なんですかね…、人と関わるのがすごい好きだったから、新天地というか新しいところに行ってみようかなと。
かな: 一人で?
春樹; えっと徳之島では父と一緒に暮らしてました。母は島に残って。
かな: へぇ! 父と息子の2人暮らしってどんな感じですか?
春樹: 楽しかったですよ。食事担当とか洗濯担当とか、家事作業を分担して。
かな: いろいろ鍛えられそう(笑)
春樹: そうですね。自分たちですべきことは自分でやって。楽しい学生生活でしたね。
かな: それでお父さんの転勤で、鹿児島に?
春樹: そうです。将来スポーツ関係に携わりたかったので、卒業後は神奈川の医療専門学校へ3年間行って、国家資格を取りました。
かな: 高校生のうちからもう将来を決めていたんですね。
春樹: 高校の頃もごまかしながらスポーツやっていたんですけど、治療にもよく行きまして。今、この道に進んでいるのもそういう影響があったからかなと。
かな: 怪我した過去とかが。
春樹: 自分の経験談というか、動きたいけど身体がうまく動かない、やりたいことがうまくできないという思い。そこからですね。
▲春樹さん(左)の運営するピラティス専門スタジオ
かな: 現在は鹿児島で整骨院を?
春樹: いや、整骨院はヨロン島だけです。鹿児島ではピラティスの専門スタジオを2つ運営しています。
かな: ヨロン島に拠点を置かれているのは自分のルーツがあるから?
春樹: まぁ、スタート地点はヨロン島だろうっていうことで2014年にヨロン島で接骨院を始めて、ここを一番の主軸に置きつつ鹿児島から展開できたらなぁと。
かな: ピラティスを始めたきっかけは何だったんですか?
春樹: 自分もそうだったんですけど、治療をしていく中で再発する人が多いんです。
「再発する理由はなにか?」というのが、自分の中でずっと疑問に思っていて、運動現場にトレーニング指導に行った時にそこで“間違った身体の動かし方や姿勢の保ち方をしている選手が怪我をする”っていう、答えが見えてきて。そこを調整しようということでピラティスという運動療法に。
かな: 辿り着いた?
春樹: はい。ピラティスをしていくとリハビリにもなるし、運動不足の人にも役に立つんです。
かな: 私はやったことないんですけど、すごくいいって聞きます。
春樹: ピラティスが生活をしていくうえでの土台となるんです。例えば、朝起きて身体を動かす前のピラティス、スポーツ前のピラティスとか、一つの準備運動と同じ。だから答えが見えたというか、そこから運動療法のピラティスを各地に展開しようと考えるようになりました。
かな: へぇぇ。
春樹: 4年前までは関東にいたんですけど。
かな: あ、はい。
春樹: ヨロン島で接骨院して、関東で3年くらいピラティスだけをやって、インストラクターの資格を発行できる指導者の資格を取得して。
かな: あ、じゃあ春樹さんに習えばピラティスインストラクターの資格が取れるっていうことですか?
春樹: そうです。そういう人が鹿児島には誰もいなかったものですから、鹿児島に帰ってきて、鹿児島県代表で普及しようと。
かな: え、そんな立ち位置なんですね! ピラティス伝道師?!
春樹: まだまだなんですけど、いいものは伝えたいので普及活動をやっています。
▲体に関する悩みを解消してあげたいと話す春樹さん(左)
かな: ヨロン島で今後やりたいことや、ヨロン島に対する想いを聞かせて頂けますか?
春樹: 一番は、運動を通して何を伝えていけるか。
かな: はい。
春樹: 運動をするというだけじゃなくて、やりたいことが出来る身体作りというか、土台を作ってあげたいなと思います。
かな: やりたいことが出来るって大事ですね。
春樹: あとは何か医療関係の面でヨロン島に貢献できたらなぁと思ってます。スポーツクラブとか運動のジムとか、運動に関わる環境作りができたらと思っています。
かな: あの、ヨロン島にいても海離れや自然離れが進んでいるなと感じていて、子どもたちも家の中で遊んでいたり…どうなのかなと思うんですが。
春樹: この環境を活かせない理由って、親も「今、何が大事か?」っていうのを感じなくなってきてるから。暇があれば携帯…大人も携帯を見ている時間ばかりですよね。
かな: 確かに。
春樹: 外に出たら足場が悪いとか、指を使ってなにか作業をするとか、そういう時間を作れない。そうすると身体を動かすことが疲れてきて、動きたくないっていう人たちが増えてきてると思うんですよ。
かな: なるほど。ちなみに春樹さんはご自分の子どもたちとどんな遊びを?
春樹: 子どもたちは6歳までヨロン島で育ったので、自然の遊びはけっこうさせたつもりですね。週末は必ず海と畑に行って、そういう環境はなかなか意識持ってないとこれからは難しいでしょうね。
かな: そうですね、意識的に行くようにしないと子どもたちも行かなくなってきますよね。
春樹: 歩くっていうこともとても大事で、散歩の習慣作りをいかに、どうやって広めていけるかなって思っています。
かな: 散歩とはどのくらい?
春樹: 1日5000歩。
かな: 歩けてるかなぁ?(笑)
春樹: 砂浜とか芝生の上を裸足で歩くのもいいですよ。
かな: 子どもが小さいうちにいっぱいさせるといいんでしょうね。
春樹: ヨロン島はとにかく自然がすぐ近くにある。海にも数分で行けるし水平線が見えるし、砂浜あるし、土や畑が近くにあって太陽も1日中光が当たる。騒音もないし、子どもたちが自然体でいられる空間だと思います。こういう環境がいかに大事かって、少しずつですけど伝えていきたいなと思います。
かな: 最後に子どもたちにメッセージを頂けますか。
春樹: メッセージ…。
かな: はい、お願いします。
春樹: いろんなものに挑戦してほしいです。
かな: 挑戦!
春樹: 目で見て、耳で聞いて、自分が楽しいなと思うものを見つけてほしいです。
* * * * * * * * * *
かな: ありがとうございました。島に帰ってくるのは年に1回くらいですか?
春樹: これからは年に3回くらいかな。
かな: 島の人にピラティスレッスンをしたり?
春樹: レッスンもしたり、いろんな取組みをやっていきたいと思っています。
かな: 嬉しい、私も参加したいです。楽しみにしています!
(おわり)