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ヨロンの種特集インタビュー『旅の島んちゅ×島の旅んちゅ』 竹岡昌彦さん(フォーカスプラー)
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インタビュー『旅の島んちゅ×島の旅んちゅ』 竹岡昌彦さん(フォーカスプラー)

Reporter ヨロンFun編集部

「ヨロン島で育った子どもはどんな大人になるんだろう?」 そんな疑問から始まったこの企画。島の外で暮らしている島んちゅにスポットを当てて話を聞いてみました。話を聞くのはヨロン島に移住した旅んちゅの池田かなです。

自分に嘘をつかない

7人目:竹岡昌彦さん(フォーカスプラー(1stAC)、撮影助手)

【竹岡昌彦さんのプロフィール】Masahiko  Takeoka
ヤーナー(家名):マサ
1988年生まれ。4人兄弟の末っ子。与論高校卒業後、大阪芸術大学映像学科に進む。大学卒業後は各種撮影機材のレンタルを行う会社(ナックレンタル)で研修生として撮影機材について学び、その後、独立。フリーのフォーカスプラーとして活躍。映画、ドラマ、TVCM、MVなど様々な作品に関わっている。

※以下、敬称略


お小遣いで映画を借りて。

かな: 今回の“旅の島んちゅ”は竹岡昌彦さん。ヨロン島に帰省されている貴重なお休みの中でお時間を頂きまして、ありがとうございます。さっそく伺っていきますね。

昌彦: よろしくお願いします。

かな: ヨロン島に住んでいた時は、どんな少年でしたか?

昌彦: 4人兄弟の末っ子なので、兄姉からは甘やかされて育ったと言われます。

かな: あはは、末っ子の特権ですよね。

昌彦: 中学では姉の影響で弓道部に。高校の3年間はずっと吹奏楽部でした。

かな: へー。

昌彦: 高校自体がマーチング始めた頃で、それが島の名物になっちゃって。いろんなイベントに駆り出されて、けっこう大変だった覚えがあります。

かな: あ、これまでインタビューした方からも同じこと聞きました。愛さんと沙織さんも高校でマーチングやってて。

昌彦: あー、1個上の先輩です。

かな: そうなんですね。

昌彦: 今でも親に言われます、「家の手伝いもせずに部活ばっかりだった」って。

かな: ご実家の竹丸荘は民宿ですよね。私も移住する前に泊まったことがあります。

昌彦: あ、ほんとですか。

かな: 民宿のお手伝いもしていたんですか?

昌彦: あと親父が電気屋をやっているので、その手伝いも。

かな: そうそう。民宿の隣で電気屋さんをやってらして、すごいですよね。

昌彦: 民宿はもともと祖父母がやっていたんですけど、どちらも手伝っていた母が一番大変だったと思います。

▲兄姉に囲まれて育った子ども時代(中央が昌彦さん)

かな: 海には遊びに行ってましたか?

昌彦: 大金久海岸からウドノスビーチまで潮が引いたタイミングで歩いたり泳いだり。弓道部の仲間と、安全な範囲で。

かな: え! 島を約半周じゃないですか。

昌彦: あとは洞窟探検とか。

かな: けっこうアクティブですね。

昌彦: でも家も大好きなので、暇なときは家で映画を見たり。

かな: へー!

昌彦: 母と兄が映画好きだったので、その影響もあって映画を観始めました。

かな: 島に映画館はないから、テレビで?

昌彦: 茶花にあるレンタルビデオ屋さんで1泊500円くらいで借りてきて観たり。

かな: 昔はレンタル料金が高かったですよね。

昌彦: だから、月に1回か2回だけ。自分のお小遣いで。

かな: うん、うん。

昌彦: あとは電気屋だったので有料の配信サービスにも加入してて、それで観たりもしてました。

 

あなたの作った映画のエンドクレジットを見てみたい。

▲卒業制作を作った大学の仲間たちと(中央が昌彦さん)

かな: 高校を卒業して大学へ?

昌彦: はい。今の仕事をしたくて、大阪芸術大学の映像学科に行きました。

かな: どういうことを勉強できるんですか?

昌彦: 1年目は映画の基礎を学んで、実際に7分くらいのショートムービーを撮ったりとか。卒業制作では仲間と60分の映画を作って、学生映画祭で撮影照明賞を受賞しました。

かな: 映画を観ていた幼少期の頃から制作の仕事をしたいと?

昌彦: そうですね、裏方をやりたかった。小学校の頃からそれに近い仕事に就きたいと思っていました。

かな: うん。

昌彦: この間、里帰りした時に嫁が発見したんですけど、中学校の卒業アルバムに寄せ書きのページがあって、そこに当時の副担任の先生が「あなたの作った映画のエンドクレジットを見てみたい」って書いてあって。

かな: へー!!

昌彦: エンドクレジットに自分の名前が載るっていう。夢というか、それが叶ったなぁと。

かな: ですよね。

昌彦: 先生には連絡取れてないんですけど、「先生が書いてくれた寄せ書きの通りになりましたよ」って。

かな: 感慨深いものがありますね。

 

「フォーカスプラー」という仕事

▲仕事中の昌彦さん(撮影助手:1stAC focus puller)

かな: 今のお仕事を肩書きで言うと?

昌彦: よく表現に出すのは撮影部、分かりやすく言うとカメラアシスタント。その中で「フォーカスプラー」という、フォーカスを送る仕事です。

かな: フォーカスを送る…?

昌彦: ピントを合わせると言った方が分かりやすいかも。映画、ドラマ、CM、ミュージックビデオ(MV)において、マニュアルシネレンズで被写体にピントを合わせる仕事をしています。

かな: ん-なんか、マニアックな職人ぽい?

昌彦: 映像技術職ですね。日本だとカメラマンになる為のステップアップでしかないんですけど、海外では専門職として独立しています。

かな: ピント合わせの達人って感じでしょうか。卒業後にすぐそのお仕事を?

昌彦: 卒業後は機材屋に勤めていました。

かな: 機材屋?

昌彦: カメラ機材やレンズをレンタルする会社に1年半くらい研修生で入りました。そこでカメラの組み立て方やメンテナンスの仕方などを学んで。

かな: カメラというのは静止画のカメラ?

昌彦: いや、映画とかに使う特殊なカメラです。1台で何千万とかする世界で、ひとつひとつが高級外車を買えるくらいの。

かな: はぁー……(思わずため息)。

昌彦: そういういろんな機材を扱えるお店で、機材全般の勉強をしました。

かな: 映画撮影のカメラって、レンタルするものなんですか?

昌彦: そうですね。ほぼレンタルじゃないと。

かな: 知らなかった…おもしろいですね。映画の裏側の世界ですね。

昌彦: その後はフリーランスで、映画やCMの現場にカメラアシスタントとして働いてました。

 

恩返しをできたらいいな。

▲人生初の海外、ウズベキスタンロケ
黒澤清監督、前田敦子主演『旅の終わり、世界の始まり』)

かな: 今のお仕事の大変なところは?

昌彦: 朝が早かったり、夜が遅かったり。生活が不規則なので、新人の頃は体も壊しやすくて大変でした。

かな: 家族との時間を持つのも大変そう。

昌彦: そうですね。子どもたちがまだ小さいので、映画とか長期ロケになりそうな仕事はセーブして、最近はCMの仕事を中心にやってます。

かな: 教えてもらえる範囲で、どういう作品に関わってこられたんですか?

昌彦: auの三太郎シリーズの初期とか、ケンタッキーフライドチキンの高畑充希さんシリーズとか。

かな: 高畑さんにフォーカスを合わせてたんですね。すごい!

昌彦: 他にはNetflixオリジナルドラマ『呪怨』、映画では見習いで『永遠の0』、フォーカスプラーで『アレキメデスの大戦』に参加しました。

かな: おぉー。

昌彦: 現場でお芝居を見るのは楽しいですよ。

かな: 見せてーとか、出演者から話しかけられることもあるんですか?

昌彦: そうですね。モニター見せて、とか。

かな: なんか、想像できない世界…。

昌彦: 今ではメイキングとかありますけど、当時はあまりなかったので、僕もやる前は想像できませんでした。映像の大学に入りたいって言った時は親父にめちゃめちゃ反対されました。

かな: あー、そっかぁ。

昌彦: ちゃんと飯が食えるのかとか。上の兄弟3人がまともに就職してたんで、余計に。

かな: 末っ子だし。心配したでしょうね。

昌彦: 初めて親に土下座をしたかも。

かな: おぉ。

昌彦: 今ちゃんと仕事もしていて、家族もできて、自分が親になってみて両親の大変さをしみじみと感じます。両親に恩返しできたらいいなと思っています。

 

自分のやりたいことに正直に。

▲ヨロン島の観光を盛り上げたいと話す昌彦さん

かな: この先の夢やビジョンを教えてください。

昌彦: 島に帰省して思ったのは、観光業が大事だということ。親父とも話したんですけど、ヨロン島の観光を盛り上げていけたらいいなと思います。

かな: うん、うん。

昌彦: 自分の仕事で得た撮影の技術や知識を活かしてヨロン島で映像作品を作れたら。

かな: いいですね。ぜひ撮ってほしいです!

昌彦: 世界に向けて配信できるような、いろんな人が見にくるような作品を。仕事というよりは、この島のためにって思います。

 

かな: 最後に子どもたちにメッセージを頂けますか。

昌彦: そうですね…(考え中)

かな: どんなことでも。

昌彦: 自分のやりたいことに正直に。やりたいことがあったら、やった方がいいんじゃないかなって思います。

かな: うん。

昌彦: 僕は今、小さいころの夢を仕事にしていて、大変な仕事ですけどやりがいはあって、辛いこともあるけど楽しいこともある。

かな: うん、うん。

昌彦: 自分に嘘をつかないで、後悔しないように。やってダメだったらダメでもいいから、なにか挑戦はしてほしいです。自分に正直にやってみてと言いたいです。

かな: 同感です。やる前から諦めないでほしいですよね。今日は素敵なお話をたくさん、ありがとうございました!

(おわり)

 

※このインタビューは2022年1月に行ったものです。
※写真は竹岡昌彦さんよりご提供頂きました。

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