※以下、敬称略
かな: 今回の“旅の島んちゅ”は株式会社anemone(アネモネ)の社長、松本平さんです。
日本一報酬の高い美容室としてスタッフも働きやすく、お客様も満足できるサロンを日本各地で経営…とのことで、すごいですね。ちょっと緊張しますが、よろしくお願いします。
平 : よろしくお願いします。
かな: さっそくですが、ヨロン島に住んでいた時はどんな少年でしたか?
平 : どっちかというと、学校ずる休みしたり。
かな: あはは、ずる休み?
平 : 子どもの頃はまだ土曜日が隔週休みだったんで、休みじゃない週は仮病使ったりとかして、その当時からもう週休2日制にしてましたね。
かな: 個人的に導入されていたんですね(笑)
平 : 勉強はほとんどしなかったんで、成績は下から10番目くらいだったと思います。
かな: そうなんですか?
平 : やればできるって言われてきたんですけど、僕が上に行ってランキング変えちゃうと迷惑かかると思ったんで。下からみんなを支えるような子だったと思います。
かな: (笑)
かな: 海には遊びに行ってましたか?
平 : はい。銛を持って魚をつついてましたね。
かな: おぉ、けっこうガチ派ですね!
平 : でも魚を突けるくらいには運動神経よくなかったんで、ハリセンボンとか動きが遅い魚ばっかりを狙って遊んでました。
かな: 食べるために漁をしていたわけではなく?
平 : そうそう。
かな: なるほど。
平 : 今のところ印象最悪じゃないですか?(笑)
▲オンラインインタビュー(左側が平さん)
かな: 高校卒業して東京へ?
平 : そうです。18才から夜間の美容学校に行ってました。
かな: 美容師を目指すきっかけになったのは?
平 : あー、あのー、好きな子が美容師さん好きだったんですよね。
かな: やだー!(テンション上がる)
平 : あと、その頃カリスマ美容師ブームで、美容師さんけっこう稼げるよみたいなことを雑誌で読んで。
かな: 動機はわりと、不純ですね(笑)
平 : 学校卒業してフリーターやって、そこからまた美容室で2年くらい働いてたんですけど、23才になる頃に病気にかかって2週間くらい仕事を休んだら、クビになって。
かな: あぁ、つらいですね…。
平 : その頃、暇だったんで、夜にキャバクラで客引きのバイトしてて。
かな: え、キャバクラ。
平 : 客引きってスーツなんで夏めちゃくちゃ暑いんですよ。冬だと逆にめちゃくちゃ寒いんですよ。
かな: 年中、同じ格好なんですね(笑)
平 : そうなんですよ。やってて途中で、ティッシュ配るよりも本当に重要なのはお客さんの情報だって気付いて。
かな: ふむふむ。
平 : 見ていると、社長さんと接待係とか、キャバクラが好きな人とか、お金があって暇を弄んでる人とか分かるんですね。そういうお客さんをリスト化して電話営業かけるようにしたんです。
かな: へーぇぇ。
平 : なんか、そしたら上手くいって、時給4000円くらいの簡単なバイトが出来上がっちゃって。キャッシャーのところでぼーっとしたりパチンコ行ったりとかして、後から電話営業してお客さん呼ぶっていうバイトしてました。
かな: えぇぇ、それってありなんですか?
平 : いや、ほんとは真面目にやらないといけないと思います。でも、お店に迷惑はかけずに売り上げに貢献してたし。そしたら社長に店の経営をしてくれって言われて。
かな: えぇ?
平 : なんでかって言うと、その頃お店でナンバー1の女の子と僕の売り上げが変わらなかったんです、ほとんど。
かな: そんなに?
平 : だから店長になってキャバクラ経営してくれって言われて、考えときますって言ってたんです。でもその当時、風営法が厳しくなって、がさ入れが入って店が1ヶ月間くらい閉まったんです。
かな: うん、うん。
平 : それで社長に、もし失敗したら働いて返せるんで、美容室やろうって言って。社長ともう1人に融資してもらって23才で始めたのがスタートです。
平 : だから最初は融資してくれた社長たちと3人でスタートさせた感じです。4~5店舗くらい広げて経営はうまくいってたんだけど、社長たちと金銭トラブルが起きて。
かな: そうだったんですか。
平 : そこからやっぱ、1人でやろうって思って。30才くらいのときに1人で起業しました。今ちょうど10年目です。
かな: お話を聞いてると男気というか度胸があるというか…すごいなって思うんですけど、不安はなかったんですか?
平 : いやなんかね、うち、母親だけなんですよ。だから特にお金があるわけでもないし、なんかこういう、チャンスあったらとりあえず飛び込むタイプなので。やっちゃうんですよね。
かな: へーぇ。
平 : やっぱりやってみた方がいいですよ。その方が成功率上がります。
かな: うん、うん。
平 : あの、夢とか目標を語る人って、ださいみたいなイメージあるじゃないですか。だけど、言ったほうがいいと思うんです。「こういうことやりたいんだ」っていう話に対して誰が出資してくれるかわかんないし、誰がアイデアをくれるかわかんない。
かな: はい。
平 : 誰が自分の将来とか未来の扉を開いてくれるか分からないじゃないですか。
かな: (頷く)
平 : 人に言ったり、やってみたり、行動すること。勉強より経験することが大事だと思います。だからあんまり勉強しなくても、とりあえずやってみたらって思うんです。難しいことはないと思いますよ。
かな: ヨロン島を離れて20年くらいですか?
平 : そうですね。でも夏に泳ぎに帰ったりとか、年に1回くらい帰ってますよ。
かな: 昔と比べて、変わったところはありますか?
平 : 原付借りて島をドライブするんですけど、ちょっと寂れてきてるかな。もしヨロン島で起業するなら不動産屋したいです。
かな: 需要あると思います。
平 : 空き家を使ったサービスとか。僕も東京で困ったのが家探しだったんで、いい家を紹介できるサービスとかしたいですね。ヨロン島に来た時に困りませんでした?
かな: あー、単身の人は困ってますね。私は相手がいたから…転がり込んだみたいな感じでしたけど(笑)
平 : そうか、相手がいたから転がり込めたってことか。
かな: です。相手がいなかったら移住してなかったんじゃないかな。
平 : ヨロン島で人口を増やすためにマッチングサービスを始めようか…。
かな: (笑)
平 : え、なんで。なんで出会ったの?
かな: 私は学生の時にヨロンに来て、その時に出会った人と3年間遠距離恋愛して、それで4年目に移住しました。
平 : へー。ヨロン島と遠距離してたんですよね?
かな: ヨロン島と東京で。
平 : へぇぇえ。よく、よく……それ、ナンパっすか?
かな: ナンパじゃないですよぉ!(笑)
平 : 旅行で来たってことはナンパですよね?
かな: あはははは(笑) なんか連絡先交換して半年後もう1回来た時に。
平 : あぁ。
かな: 付き合うことになったんで。
平 : そこで結ばれたんだ。
かな: って感じです。
平 : いいじゃないですか。
かな: あははははは(笑)
平 : いいと思いますよ、ほんと。
かな: なんか達観されてる?(笑)
平 : いやいや、いいと思います。そういう人を増やしたいなって思いますよ。
かな: これからの夢はありますか?
平 : あのね、けっこうやりたいことやったんですけど。
かな: うん。
平 : この会社で働いてよかったなって、言われる社長になりたいです。
かな: いいですね、すてきです! 最後にヨロン島の子どもたちにもメッセージをお願いします。
平 : お金持ちになるとか幸せになるっていうより、やっぱり楽しい人たちといれば幸せになれるし楽しくなれるから、後悔しない生き方をした方がいいと思います。
かな: うん、うん。
平 : 後悔しない生き方ってどういう生き方か? って言ったら、自分の人生は自分で決めることですね。
かな: なるほど。
平 : だから、これを準備しとけってことはないけど、どんなことがあっても社会に出ると自己責任なので。ちゃんと自分で選択して、自分の道を歩くのが後悔しない生き方かな。どんな仕事をしていても、お金を稼いで幸せな人もいるし、めっちゃお金持ってるけど不幸な人もやっぱりいるので。後悔しない生き方をした方がいいと思います。
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かな: ありがとうございました。途中、掲載できないNGワードも続出しましたが、最後はきれいにまとまりました!(拍手)
話をしていて、平さんに会いたくなりました。ヨロン島に来られたら、ぜひ!
平 : ヨロンでローズ連れてくよ、ローズ。
かな: 島の人にだけ通じるスナックの名前をありがとうございます。お待ちしています! 今日はありがとうございました!
(おわり)