2022年度からNPO法人ヨロンSCが主催となり、3年間取り組んできた公共ホール現代ダンス活性化事業、通称「ダン活」。ヨロン島の文化事業を盛り上げたいという想いで始まった一般財団法人地域創造による事業で、公共ホールとアーティストが共同で地域交流プログラム又は公演を企画、実施するというものです。
舞台芸術団「山猫団」を中心に、初年度は小中学校でダンスの授業を行い、昨年度はサーカスをテーマにしたダンス公演を実施しました。
そして事業の集大成として今年度企画したのが、島民参加型ダンス公演「山猫団あらわる!2 踊る島民編」。
参加をしたいと手をあげてくれた5歳から40代までの島民が集い、約1か月かけて稽古に励みました。
ダンス未経験の私スズキも、スタッフ兼出演者として参加。課題のダンスは難易度が高くて、カウントのない音楽に合わせるのが難しく稽古ではとにかく踊りまくりました。
▲稽古に励む出演者(島民)たち
もうひとつ公演を行う上で忘れてはならないのが会場作り。
劇場がないヨロン島、公演会場は体育館です。スタッフで頭を抱えながら話合い、昨年の経験を活かして徳之島通信特機さんに協力を頂き、徳之島から音響・照明機材を運び入れました。
機材の仕込みが完了すると、普段体育館として使用している砂美地来館(サビチラ館)のアリーナが一変。立派な劇場が誕生。
▲ここにしかないオリジナル劇場が誕生
機材の仕込みが完了したあとのリハーサル、出演者に緊張が見られるなか、山猫団主宰の長与江里奈さんが熱く語りかけます。
「もし明日死んだとしても、悔いがないと言えるくらい、力を出し切るのだ」
自分達は観客ではない。観客にいかに楽しんでもらうか、価値あるものが提供できるかが大事。
舞台という場所の厳しさを感じつつ、熱い指導を受けて、出演者たちのボルテージは上がっていきます。
間近で出演者たちの成長を見ていた私。人が自信をもって、思うがままに舞う身体がこんなにも美しいのかと、感動で涙せずにはいられませんでした。
▲島の子どもたち、踊る(中央は長与さん)
公演当日は、会場に約300名が来場。
「スポットライトを浴びて自分の体が自由に動き出した時、最高の感覚だった」
「これからも踊り続けて、いつか山猫団を越えてみたい」
公演後そう語った出演者の言葉の通り、5歳から40代までの演者が全力で踊る姿に感動して、観客の中には終始涙が止まらなかった人もいたそう。
拍手喝采の中、アンコールでは観客も混じえ、約100名が一体となってダンスを踊ったのでした。その光景は圧巻!(TOP写真がその様子です)
「音や光の演出を中々生で見ることが出来ないのでとても楽しかった」「余韻が半端ない」「次は出演してみたい」等、観に来られた方も口々に感想を教えてくれました。
今回出演した踊るヨロン島民たちに名前が付きました。
チーム「のらねこ軍団」です。
3年をかけて、山猫団から教えてもらったダンスの魅力をずっと、抱きしめていたい。そして、これからもダンスを続けていきたい。大切なのは、ここからどう継続していくか。
今日も島のどこかで、のらねこ軍団は踊り続けます。
「山猫団あらわる!2 踊る島民編」
2025.2.24開催
山猫団とは…https://ynd.tokyo/
写真提供:カトーさん・笠門さん