2025年11月3日、ヨロン島観光のまとめ役であるヨロン島観光協会の60周年記念式典が開催されました。
設立当時の1965年(昭和40年)日本は高度成長期を背景に観光ブームを迎えていました。
式典で配られた資料によると、1967年に7,993名だった客数は年々増加し、ピーク時の1979年(昭和54年)は15万人を超えていたそうです。
式典ではこの時代に宿業などの観光業を始められた方や、旅をきっかけに移住してお店を持たれた方などのインタビュー映像が流れました。
「その頃の若者はギターを誰かが持って来てフォークを弾いたりする時代
ピークの頃は学生ツアーが多く、東京から船で来るお客様がほとんど。出会いを求める若者たちが茶花の銀座通りに溢れていたそうです。その当時、日本で流行っていたディスコが島に何軒もあったというのはヨロン島では有名な話ですが、式典で流れた当時の写真は今では信じられないほど皆はじけていて…言葉を失いました(笑)
ちなみに前の席に座って一緒に見ていた20代女子に「ディスコってなんですか?」と聞かれました。ですよね!
インタビュー映像の間に劇団 野生の島人が登場。島内のミュージカルグループやダンスグループなども加わり総勢およそ50名のメンバーが参加。今日の式典のために作られた劇は架空のテレビ番組「タイムトラベル IN JAPAN 与論島編」と題し、これまでの島の歩みを会場の皆と一緒に楽しく振り返る内容でした。
1979年ヨロン島に来島して野外コンサートを行った西城秀樹さん再来か? というライブステージが盛り込まれたり、1983年ヨロンパナウル王国を建国し青と白を基調としたギリシャ風の町づくりが始まったこと、2007年に映画『めがね』が公開され、映画を見た人がヨロン島を訪れるなどじわじわと観光にも影響を与えていること、分かりやすいストーリーで見入ってしまいました。おもしろかった!
劇のあとは、観光協会のスタッフや島の高校生のインタビューもありました。
ヨロン島の観光に携わる人に共通してあるのは「観光を通して島を豊かにすることが目的であり、それに向けて一丸となっていけたら嬉しい」という想い。
観光は時代の流れと無関係ではいられませんが、流されすぎず、この島の大事なものを守りながら、訪れる人も迎える私たち島人も一緒に笑顔になれたら嬉しいですね。
劇の最後は、船に乗り込む劇団員。昔と今、そして未来へつながるテープを手にし、
「いつの時代も境界線は曖昧で、今も昔も自然の隣で私たちは暮らしています。これからヨロン島の未来にはどんなものが待ち構えているのでしょう。船が出航します」
未来へ向けて、行ってきまーす!