ヨロンFun

ヨロンの種特集与論高校1年生ロックバンドTHE YELLOW WITNESS
お気に入り

与論高校1年生ロックバンドTHE YELLOW WITNESS

Reporter 沖隆寿

ヨロン島の旬の話題をお届けします。

島の音が聞こえる

島には、今はまだ目立つことはないけれど、力強く芽吹く新しい風景があります。

夕暮れ、木造トタン屋根の古い小屋の前には制服をひっかけた自転車が数台とまり、エレキギターとバスドラム、そこに近所の夕食の匂いと風に揺れるさとうきびの音が混じり合い、数日に1度、若い「島の音」が新しい夜を誘っています。

 

「バンドやろう!」他にバンドをやる同級生もいないなか、吹奏楽部に所属していた気の合う4人が集まりロックバンドを結成したのは、中学校に入ってすぐの頃。

顧問の先生にバンドの譜面をもらい、お小遣いを貯めて楽器を買い、じいちゃんと一緒に木製のアンプを手作りして、学生バンドマンの日常がはじまりました。「勉強との両立はむずかしいけど、好きなことがしたいんだ」と、日々、音を重ねました。

 

「YouTubeなど動画サイトで流行りの音を検索したとき、関連動画には出てこない音楽をやりたい」「予想出来ない音楽を演奏して楽しむ姿を見てもらい、同年代の友達も人の目を気にせず自分をさらけ出して欲しい」

たくましい言葉は、言葉だけではなく、先日行われた軽石フェスティバルでは、観客の度肝を抜く堂々としたライブパフォーマンスで大きな歓声と拍手に包まれ、涙の興奮を生み出していました。

ただ、高校1年生になる彼らがヨロン島で音楽を続けることはそう簡単ではなく、楽器店がない上にライブハウスもなく、直に生の音楽に触れる機会はほとんどありません。

「大変なこともあるけど、もっといろんな人に知ってもらって島をもっともっと盛り上げたい」「ぼくらが音楽をやることを大人たちが応援してくれる。それが本当に嬉しい」自分たちのことだけでなく、島のことまで考えて音楽をやる。そんな彼らの輝く目の光に誘われて、今後は継続的なライブイベントの企画を一緒に立てていくことを約束しました。

 

▲夕暮れ時の練習場所にて

 

小屋からは今日も新しい音が鳴り響き、新しい風景を彩っています。
その音を聞いていると、どこか都会の大きなライブ会場でこの出発地点の景色がマイクから語られる日もそう遠くないのかもしれないと、心が踊ります。

SHARE
  • Facebook
  • Twitter
RECOMMEND

旅のプラン